転職を考える際には、希望する業界について事前に調査することが大切です。
しかし、どのように調査すればよいか悩む人も多いでしょう。
この記事では、業界研究の重要性やポイント、業界の最新動向や情報収集方法について説明します。
適切な業界研究を行い、転職活動に有利な情報を得ましょう。
企業研究ってよく聞くけどそもそもなんですか?
今回は、業界研究をおこなう目的やポイント、実際の業界の動向や業界研究に役立つ、情報収集の仕方についても解説していきます。
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業界研究をして転職活動に備えよう
業界研究は、自身の強みを生かし、自分が活躍できる業界を見つけるための重要なステップです。
単に業界を詳しく調べるだけでなく、自分が目指す将来像を明確にし、その実現に向けた業界を探すことが重要です。
日本には様々な業界が存在しますので、広い視野を持ち、多様な業界を研究することで、自分にぴったりの職業を見つけることができます。
したがって、業界研究は転職活動において欠かせない重要なプロセスの一つです。
業界研究を行うメリットとは?
業界研究を行うメリットについて解説していきます。
どんな業界があるか幅広く知れる
業界研究を進めると、自分が知らなかった多種多様な業界に出会うことができます。これらの業界に興味を持つことは、前職で接点のなかった業界にも関心を持つきっかけにもなります。
また、幅広い視野を持ち、様々な業界を調べることで、自分の興味や強みに合った業界を見つけ出すことができます。
以下に、一例として業界の大まかな分類と代表的な業界をまとめています。
【業界例と具体例】
業界の分類例 | 業界例 |
---|---|
IT・通信業界 | インターネット 携帯電話、通信キャリア |
メーカー業界 | 電気、機械、医療品、食品、農林、水産、鉄鋼、印刷 |
商社業界 | 商社、電気、医薬品 |
サービス業界 | 運輸業、卸売業・小売業、飲食、レジャー、旅行、人材サービス |
金融・保険業界 | 銀行 保険会社 保険代理店、クレジット、証券会社 |
小売業界 | 百貨店、食品スーパー、コンビニ、アパレル販売 |
出版・マスコミ業界 | 新聞、放送、広告 |
インフラ業界 | 鉄道、航空、空港、電力・ガス会社 |
官公庁・公社・学校 | 公社、官公庁、学校 |
業界の動向を把握できる
転職活動において、業界の動向を把握することは非常に重要です。
将来性や安定性を知ることで、自分自身のキャリア形成において大きな影響を与えることができます。
入社後のイメージがわきやすい
業界の知識や理解が深まることで、入社後のイメージが明確になります。
業界における流れや、企業や顧客との付き合い方、そして業界自体が目指す目的などを理解することで、自分自身が望むキャリアプランに沿った入社後のイメージを描くことができます。
業界の特徴について
業界にはどのような特徴があるのでしょうか。
上記に挙げた業界以外にも多種多様な業界が存在しますので、自身が興味を持つ業界について深く理解するため、積極的に情報を収集して掘り下げていくことが重要です。
IT業界
IT業界は、現在非常に好調な転職市場となっています。
求人数が年々増加し、「売り手市場」と呼ばれる状況にあります。
特に、技術系の職種(プログラマーやシステムエンジニアなど)やSl(システムインテグレーション)などの技術力を極める場合、非IT企業や官公庁などでのITシステムのコンサルティング、設計、開発、運用などを一括で請け負う事業、マネジメント系の職種(コンサルティングファームなど)を目指すことが可能です。
IT業界は未経験者でも「自社で育てる企業」が増えており、問戸が拡大しています。
20代から30代の若手が多く転職を果たしており、第二新卒も積極的に採用している企業も多いのが特徴です。
また、システムインテグレーションは、企業の課題解決のため、情報システムの利便性を向上させたり、効率性を飛躍させたり、新たなサービスの開発などを行うことができます。
医療・介護福祉業界
医療・介護福祉業界は、景気動向に強い業界として知られています。
高齢化や高度医療開発の進展により、需要はますます増加しています。
特に医療業界では、新薬開発が活発化し、MR職の未経験者採用が積極的に行われています。
また、介護職の人手不足も深刻化しており、積極的な採用が行われています。
超高齢化社会に向けて、社会貢献度の高さが注目されており、未経験者でも入社後に資格取得を支援する企業も増えています。
2025年問題に対応するためにも、医療・介護福祉業界はますます重要性を増しています。
金融・保険業界
金融・保険業界は、個人向け金融サービスの強化が期待されており、銀行や証券会社などでは「リテール営業」が増加しています。
このリテール営業では、個人顧客に対して資産運用などの提案を行います。
また、最近注目を集めている「FinTech」は、金融サービスとIT技術の融合を意味し、今後はネットバンキングやネット決済の普及が進むことが予想されます。
未経験や第二新卒の採用にも積極的な、新興系の銀行や地方銀行、保険代理店などでの求人も増加しています。
金融・保険業界は、経済の活性化や社会貢献度の高さから、やりがいのある業界とされています。
建設・設備業界
建設・設備業界は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックやリニア中央新幹線計画、都市部での大規模再開発計画など、大規模なプロジェクトが控えており、好調な状況が続いています。
現在、建設業界は「売り手市場」となっており、中古物件の需要や景気回復のための事業所移転などが増加し、リフォーム需要が拡大しています。
特に、施工管理職などの技術職の求人が増加しています。
一方、長期的な視野で技術職を育成したいと考える企業が増えているため、未経験者や第二新卒者でも積極的に採用されています。
大手ゼネコンから地域密着の企業まで、経験者だけでなくポテンシャル採用も行っているため、チャンスはたくさんあります。
メーカー業界
メーカー業界は現在、好調です。
自動車の運転技術や工場の自動化、産業用ロボットの物流や医療分野での実用化が進んでいます。
今後は、IoTやAIなどの分野が、第四次産業革命を支える技術として注目を集めています。
製造業全体では、海外シェアの拡大や新技術の開発、IoTの推進に伴い、海外営業や機械設計の求人数が増加しています。
技術職や事務職も求人数が増加傾向にあり、第二新卒層も積極的に採用されています。
自動車や電気製品などの大手メーカーの中には、年間100人などの大規模な中途採用を実施する企業もあります。
また、素材分野では電池分野が好調で、技術を次世代に継承するために、ポテンシャル採用を積極的に行う企業が増えています。
従来、インターネットに接続されていなかった様々なモノが、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、情報を発信・受信する仕組みが、「モノのインターネット」と呼ばれています。
モノがインターネットに接続されることで、これまで埋もれていたデータをサーバー上で処理・変換・分析・連携することが可能となります。
運輸・物流業界
運輸・物流業界は、インターネット通販の需要増加に伴い、好調が続いています。
この業界で注目されているのは、物流アウトソーシングの拡大である「サード・パーティ・ロジスティクス(3PL)」市場の成長です。
3PLは、配送業務だけでなく、倉庫業務、加工・包装、物流システム管理など物流業務全般を請け負うことを意味しています。
この分野においては、今後ますますグローバル化が進み、配送業務だけでなく、倉庫管理、営業、貿易事務、SEなど多岐にわたる求人が存在します。
技術職には即戦力が必要とされる場合がありますが、営業系の求人であれば第二新卒のポテンシャル採用も増えています。
また、大手企業も未経験者や第二新卒者を積極的に採用している傾向にあります。
コンサルティング業界
コンサルティング業界は成長戦略支援や経営課題の解決を目的に、企業や団体、政府機関などに対して、問題発見・解決や事業再構築などの支援を提供する業界です。
業界全体としては、成長戦略支援やデジタルトランスフォーメーションの需要が高まり、市場規模は拡大しています。
コンサルティング業界は、コンサルタントとして企業や団体、政府機関などの問題解決に関する支援を行うため、幅広い職種の人材が求められます。
総合系やIT系の学部出身者が多く、戦略系やマーケティング系、財務系、人事系、法務系などの職種もあります。
また、業務内容によっては、医療、教育、公共インフラ、環境エネルギー、スポーツなどの専門分野を持ったコンサルタントが必要とされます。
コンサルティング業界では、自身の専門知識や実務経験を活かしてチャレンジすることができるポテンシャル採用が積極的に行われています。
また、未経験や第二新卒でも、専門分野や業務内容に関する知識を身につけることで、キャリアアップを目指すことができます。
ただし、コンサルティング業界は、高い専門性と豊富な実務経験を求められるため、入社後は研修やOJTなどで必要なスキルを身につけることが重要です。
専門商社業界
専門商社業界は、専門的な知識や技術を持った人材が求められる分野であるため、未経験の場合でも入社後に専門的な研修やOJTなどを通じて、必要なスキルを身につけることができます。
また、第二新卒採用にも積極的であるため、異業種から転職する場合でも、ポテンシャルを評価して採用されることがあります。
また、独自の商品開発や販売支援などの仕事に携わることで、自己実現やキャリアアップの機会が広がるといえます。
業界全体としては、特定分野に特化した商品を取り扱うことで、高い競争力を維持しているため、今後も成長が期待される分野の一つです。
インターネット業界
インターネット業界は急速に成長し、多様化しています。
情報技術の進歩とともに、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーンなどの新しい技術の導入も進んでいます。
これらの技術を活用して、さまざまなビジネスモデルが創出されています。
また、グローバルな展開が進んでおり、日本国内だけでなく、海外でもビジネスを展開する企業が増えています。
海外展開に伴い、多言語対応やグローバルマーケティングに対応する人材の需要が高まっています。
さらに、デジタルマーケティングやソーシャルメディアマーケティングなど、インターネットを活用したマーケティング手法が広がっており、マーケティング関連の職種での需要も高まっています。
しかし、業界全体として、労働環境の改善や過剰なワークライフバランスの問題も指摘されており、改善に向けた動きも進んでいます。
業界研究に役立つ情報収集
業界研究には目的やメリット、業界の特徴を把握する必要がありますが、具体的にどのような方法で情報を収集すればよいでしょうか。
転職時の業界研究に役立つおすすめの方法を4つご紹介します。
会社四季報
業界全体の特徴や動向を把握するために利用できます。
客観的なデータだけでなく、直接インタビューをした情報もまとめられており、最新かつ膨大な情報が掲載されているため、業界の将来性を見るのに便利です。
新聞・業界誌
各業界の最新ニュースやトレンドにアンテナを張ることができます。
客観性や信頼性の高い情報が載っているため、業界研究には欠かせないものです。
また、電子版を利用することで関連情報も見ることができます。
企業ホームページ・求人情報サイト
企業ごとの特徴や強みを知ることができます。
業界を代表する企業のホームページをチェックすることで、業界全体のイメージをつかみやすくなります。
必要な情報が網羅的に満載されているため、社員インタビューがある場合は入社後のイメージもつかみやすくなります。
転職フェア・イベント
一度に複数の企業から情報収集ができるため、業界や企業の雰囲気を実際に知ることができます。
興味のなかった業界・企業に出会うことができる可能性もあります。
業界・企業の情報を分かりやすくかつ効率よく集めることができるため、転職希望者向けのイベントはおすすめです。
業界研究を行う際、気をつけること
業界研究を行う際、気をつけることについて解説していきます。
色んな角度から業界を見ていく
自分に合った業界を見つけることは重要ですが、業界が社会に果たす役割や将来性を把握することも業界研究において重要です。
業界の役割や将来性を把握するためには、以下の視点から業界を見ると良いでしょう。
- 業界の現状と将来性
- 業界の国際性、社会性や景気動向
- その業界は「自分の強み」や「好き」を活かせそうか
- その業界で本当に社会に貢献したいと思えるか
- その業界で実際に自分が働くイメージができるかどうか
先入観を捨てる
業界研究を行う上で、先入観を持たないことが重要です。
先入観を持って研究すると、自分が活躍できそうな業界でも見逃してしまう可能性があります。
そのため、フラットな視点で幅広く業界を調べることが重要です。
業界を1つだけにしない
複数の業界を考えておくことで、転職活動中に興味を持ったり、自分に合う業界を見つけることができる可能性があります。
視野を広げて、複数の業界を候補に持ちながら転職活動を進めていくことをおすすめします。
業界研究のやり方を抑えよう
今回は、転職活動において重要な「業界研究」について、ポイントや各業界の特徴、情報収集の方法について紹介しました。
業界研究を行うことで、自分が志望する業界の知識や理解が深まり、応募書類作成時や面接の際にも役立ちます。
業界研究をする際には、今回紹介したポイントを参考に、フラットな視点で幅広く調べ、自分に合った業界を見つけることが重要です。
転職活動を成功に導くため、しっかりと業界研究を行っていきましょう。
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