豆知識

「就業時間」とは?労働基準法から見る、「勤務時間」「労働時間」の違いについて解説

2022年12月19日

労働時間の違い

「就業時間」という用語には、似たような意味を持つ「労働時間」と「勤務時間」という表現があるかもしれません。

そこで、それぞれの定義について疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、労働基準法における「労働時間」と「勤務時間」の違いについて解説します。

また、「就業時間」の長さ、休憩時間の有無、時間外労働の発生についても詳しく説明します。

この記事で学べること

  • 「就労時間」「労働時間」「勤務時間」の違い
  • 「労働時間」として認められる時間
  • 「休憩時間」とは?
  • 「勤務時間」「労働時間」の違いから見る、労働条件の大切さ

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労働基準法から見る「勤務時間」「労働時間」の違い

労働基準法から見る「勤務時間」「労働時間」の違いについて解説していきます。

「就労時間」「労働時間」「勤務時間」の違い

この記事では、「就労時間」「労働時間」「勤務時間」の違いについて説明していきます。

就労時間

「就労時間」とは、定められた始業時刻から終業時刻までの時間を指します。

この言葉は「就業時間」とも呼ばれますが、意味は同じです。

「就労時間」は、業務が開始してから終了するまでの時間を包括的に表現し、休憩時間も含まれます。

例えば、9時から18時までの勤務で、1時間の休憩がある場合、就労時間は9時間となります。

労働時間

「労働時間」とは、労働者が雇用主の指揮命令下で企業のために働く時間を指します。

この時間は「就労時間」から休憩時間などを差し引いたものであり、「休憩時間」は「労働時間」に含まれません。

労働者が明示的または暗黙的に指示された業務に従事する時間は、「労働時間」として数えられます。

つまり、雇用主から明確な指示がある場合や、指示が暗示されるような状況下で労働者が業務に従事する時間が「労働時間」となります。

勤務時間

「勤務時間」とは、企業の就業規則で規定された始業時刻から終業時刻までの時間を指します。

「就業時間」「就労時間」と同じく、9時から18時まで営業している場合、勤務時間は9時間となります。

勤務形態には、日勤、夜勤、交代制、非常勤など、企業によって異なるものがあります。

ただし、いずれの場合でも、「休憩時間」も含めて、業務開始から終了までの時間を指します。

「労働時間」として認められる時間

次に挙げる時間が「労働時間」に含まれるかどうかを考えてみましょう。

具体的なケース

  • 始業前・終業後
  • 研修時間
  • 自発的な残業時間や持ち帰りの残業時間
  • 仮眠の時間
  • 有給休暇

以下、5つの具体的なケースについて説明します。

始業前・終業後

「労働時間」に該当する具体的なケースとして、朝礼や片付けの命令などの理由で始業前や終業後に働いた時間があります。

これらは、雇用主の指揮命令下で働いた時間であるため、「労働時間」として法的に認められます。

研修時間

自社研修など、会社から命じられた研修に参加した場合は、その時間は「労働時間」に含まれます。

ただし、自発的に参加した研修の時間は「労働時間」には該当しません。

自発的な残業時間や持ち帰りの残業時間

「労働時間」として扱われるケースには、指示された仕事が終わらない場合や、会社の許容の上での残業があります。

ただし、持ち帰りの残業については、会社からの指示があれば「労働時間」とみなされることもありますが、自主的に行った持ち帰り仕事の時間は「労働時間」として認められません。

仮眠の時間

深夜労働中に設けられた仮眠や、業務上必要な仮眠時間は「労働時間」とみなされますが、休憩中の仮眠は「労働時間」には含まれません。

有給休暇

有給休暇を取得した時間は、実際の労働時間とは異なりますが、所定労働時間に含まれます。

「休憩時間」とは?

「休憩時間」とは、労働者が仕事を離れて休息するための時間です。

「休憩時間」は労働時間に含まれますが、会社はその時間に対して賃金を支払う必要はありません。

労働基準法では、与えるべき「休憩時間」を労働時間に応じて規定しています。

1日の労働時間が6時間以下の場合は、休憩を与える必要はありません。

6時間以上8時間以下の場合は、休憩時間を45分以上と定められており、8時間を超える場合は1時間以上となります。

時間外労働時間(残業時間)とは?

「残業」とは、定められた労働時間を超過して働く「時間外労働」のことです。

時間外労働に関する規定は「時間外労働協定(36協定)」に定められます。

36協定による時間外労働の上限は、月45時間、年360時間であり、一定の臨時的な事情がない限り超えることはできません。

36協定で設定された範囲を超えた残業は、労働者が拒否することができます。

また、法定労働時間内の「法定内残業」と、法定労働時間を超える「法定外残業」では、賃金の計算方法が異なります。

法定内残業

「法定内残業」とは、所定労働時間内であるにもかかわらず超過して働くことを指します。

たとえば、所定勤務時間が5時間のところで1時間残業した場合、この1時間は「法定内残業」となります。

なぜなら、法定労働時間である8時間を超えていないからです。

「法定内残業」では、労働者には割増賃金は支払われず、通常の時給で計算されます。

法定外残業

1日の法定労働時間である8時間を超えて働いた場合は、「法定外残業」として扱われます。

例えば、所定労働時間が8時間の職場で10時間働いた場合、2時間が法定外残業時間となり、通常の1.25倍の割増賃金が支払われます。

また、22時から朝5時までの時間帯は深夜労働とされ、更に割増賃金が発生します。

「勤務時間」「労働時間」の違いから見る、労働条件の大切さ

前述した通り、「勤務時間」と「労働時間」は異なる概念であり、それぞれの定義を正しく理解することが重要です。

「勤務時間」とは、始業時刻から終業時刻までの企業にいる時間を指し、「労働時間」とは、「休憩時間」を除き残業時間を含めた実際に働いた時間を意味します。

正しい労働条件を理解することは、仕事において非常に重要です。

勤務時間や労働時間、休憩や休日などの定義を把握していないと、企業と社員の認識が異なり、トラブルが発生する可能性があります。

ですから、基礎知識をしっかりと学び、自分に合った良い企業を選ぶことが、楽しく働くためにも重要です。

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畑原啓伸

2019年7月11日、H&H株式会社設立
1984年生まれの1児パパ。
エンジニア→自動車整備→営業→エンジニア→経営者。

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「世の中をもっと面白くしたい」、「自身の人生をもっと面白くしたい」 そんな思いをもったわたしが先頭に立ち、皆さんと一緒に世の中を創っていく所存です。少しでも興味をもっていただけたら是非一度腹を割ってお話しましょう!!!

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